箱の中

ぶらりと旅に出たくなり文庫本片手に電車に飛び乗った(仕事の用事です)。
あさがたはよく晴れていた空の様子も、
列車を乗り換える頃には、すっかり灰色になってしまっていた。

列車のあの独特なリズムにやられて、いつのまにかうとうとしている。
読みかけの文庫本のページを探し、そしてまた読みはじめる。

本は、知り合いの女性が以前よんだもので、
あらすじを教えてくれたものだ。
その作家の別の作品を読み、惹かれるものを感じ
今回はこの本を選んでみた。


列車のなかは、春休みということもあり、
かなり混み合っている。

普段は人込みが嫌いな私ですが、今日のような気分のときは、多少ひとがいたほうがいい。

年度末の先月、私もまたひとつ齢を重ね、
他にもいろいろな事がありました。
そんなことも、いまとなっては箱のなか。


新年度も始まったということで、気分を一新してまた頑張ろう。
用事をすませたら、少し桜を見てこよう。

雨が降らない事を祈りながら電車をおりた。